これは私の学生時代の経験談である。
当時、親元を離れ一人暮らしだった。共益費・水道代込み月4万円の6畳ワンルームアパートの一階。決して環境の良い部屋とは言えなかった。
そんな環境でも、親のスネをかじっている限り文句は言えない。
この部屋に6年間住んでいたわけだが、異変が起こったのは2年目頃だったと記憶している。
Gの襲来
正直言って、私はズボラである。
ゴミはちゃんとしたゴミ箱を用意せず、そのまま袋に入れてゴミの日まで放置していた。それが悪かったのであろう。ある日、黒光りした『奴』が襲来した。
はい、すみません。違いますね。
そう、もうお分かりであろう。『奴』とは、ゴキブリのことである。
ここから、私とゴキブリの長い闘いが始まるのだった。
ゴキブリとの闘い 先制攻撃
ゴキブリを発見したら、絶対に逃してはいけない。部屋の奥隅で繁殖なぞされた日には目も当てられない。
私は攻撃を試みた。物理攻撃である。新聞紙を丸め、力強く振り落とした。
外した…
戦績 1戦1敗
ゴキブリとの闘い 飛び道具
気付けば私は近所のドラッグストアにいた。そう、殺虫スプレーだ。
これならば私にも勝機がある。
私は棚の前に立った。
そこには4桁に迫る数値が並んでいた。私の負けだった。私はケチだったのだ。
戦績 1戦 1敗1不戦敗
ゴキブリとの闘い 飛び道具その2
来たる再戦の日に向け、私は知識での武装を行なっていた。
ゴキブリをはじめとする昆虫たちは、気門という小さな穴から空気を取り込んでいる。そして、洗剤をかけると気門がふさがれ、窒息してしまうのだ。
「ジョイ君、君に決めた!」
ぴぴるぴるぴるぴぴるぴー
勝った…
しかし、私の目の前には、そこら中に飛び散ったジョイ君の汁が残っていた…
戦績 1勝1敗1不戦敗
ゴキブリとの闘い 最終決戦
ある日、ベッドで寝ていると耳元ででカサカサっと音がした。何だろうと体を起こし、目を開いた。
『奴』だ…
なぜお前は布団の上にいる?パニックに陥った私はゴキブリを払い落とした。すると奴はベッドの下に逃げていった。探したが見つからない…
もう限界だった。
数年にわたる闘いの中で、私は疲弊しきっていた。
これだけは使いたくなかった。しかしもう他に頼るものは無い。
最後にして最強の武器を取り出したのだ。
ホウ酸ダンゴである。
これには即効性はなく、眼の前のゴキブリをすぐに滅殺できるわけではない。
しかし、それに頼るしか他なかった。
そして伝説へ…
ホウ酸ダンゴを設置して一カ月が過ぎた頃、異変に気づいた。
ゴ キ ブ リ が い な い !
そう、私は完全勝利を収めたのだ!
約4年続いた私の生涯における闘いはこうして幕を閉じたのだ。
是非、みなさんにも私の経験を役立てて欲しいと思う。
ゴキブリにはホウ酸ダンゴ。これが真理だ。
ご静聴、どうもありがとう。
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