現代では、地球が太陽の周りを回っているのは誰もが知るところ。
しかしその事実も歴史的に見れば、ほんの短い間にしか知られていませんでした。
16世紀にその事実が認識されるまでは、ずっと宇宙が地球の周りを回っていると信じられていたのです。
『チ。-地球の運動について-』は、その事実が明らかになる以前。天動説が信じられてきた時代の物語です。
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『チ。-地球の運動について-』の概要とあらすじ・時代背景

命を捨てても曲げられない信念があるか? 世界を敵に回しても貫きたい美学はあるか?
ビッグコミックスピリッツ「チ。-地球の運動について-」特設ページより
舞台は15世紀のヨーロッパ。異端思想がガンガン火あぶりに処せられていた時代。
主人公の神童・ラファウは飛び級で入学する予定の大学において、当時一番重要とされていた神学の専攻を皆に期待されていた。
しかしある日、ラファウの元に現れた謎の男が研究していたのは異端思想ド真ン中のある「真理」だった———!!
舞台は15世紀前半のヨーロッパ。C教が宗教・思想の中心となっていた世界だ。
この時代では、C教の教えにそぐわない考えは、「異端」として激しく弾圧されていた。
当時、C教の教義では、宇宙の中心は地球であり、太陽や星たちは地球の周りを回っている「天動説」が信じられていた。一方で、現代の常識である「地動説」はC教に背く思想。信じることはおろか、研究することすら許されていなかった。
研究していることがばれると、拷問・火あぶりに処されていた。
(補足:科学的な地動説を説いたコペルニクスやガリレイは16世紀の人物)

この漫画は、そのような時代にもかかわらず、地動説を信じ、その心理の探求に命を懸けた者たちの物語である。
『チ。-地球の運動について-』の登場人物
『チ。-地球の運動について-』の登場人物の中でも、物語に重要な役割を担うキャラクター達を紹介します。
ラファウ|将来を有望視された天才少年
本作の主人公の一人であるラファウ。12歳で大学に進級し、神学を専攻する予定だった神童であった。
その彼の運命は、異端思想により拷問にかけられ、改心したはずだったフベルトとの出会いによって変わってしまった。

もともと天文を嗜んでいたラファウだったが、フベルトと共に観測するにつれ、宇宙の動きが美しくないことに気付く。
天動説を否定することはC教に背く行為であると知りながらも、地動説の美しさに魅入られ、極秘に研究に没頭していく。

ノヴァク|元傭兵の異端審問官
異端審問官のノヴァクは、常に気だるい態度を取り、異端思想を持つ者たちに対して粛々と拷問・粛清を行っていく。
また、C教の教会側の人間にも関わらず、その教義には無頓着なところがある。

オクジーとグラス
代闘士。超ネガティブ思考のオグジーは、優れた視力を持つものの空を見ることを極端に恐れていた。現世に何も期待しておらず、早く天国に行きたいと願っている。

一方でグラスは超ポジティブ思考の持ち主。しかし実は家族を亡くした過去を持つ。絶望していた中、火星に希望を見出した。

バデーニ|真理の追求を至上とする修道士
バデーニは修道士であるが、教会の規律に従うことなく純粋に「知」を追求した。その結果、眼を焼かれ田舎村に左遷された。
知識量、計算力など並外れた頭脳を持ち、異端研究であろうと気にすることなく、真理を追究しようとする人物。


ヨレンタ|女性軽視で苦しむ研究者
ヨレンタは天文研究助手。宇宙論の大家の施設に入れたが、「女だから」という理由で満足に研究をさせてもらえずに絶望している。
バデーニが共同研究者を探すために掲示した難問を、一日で解いた才女。
彼女もまた、地動説に没頭していく。

『チ。-地球の運動について-』の感想
『チ。-地球の運動について-』は、歴史に残らない裏側で、自分の信念を貫くためだけに、その命さえも投げ出す人たちを描いたフィクションです。
地球が動いていることを疑わない者。
地球の運動の真実に気づく者。
教義を信じ、それに背くものを許さない者。
それぞれの人間に信じるものがあり、それを疑わないのです。
迫害されるのを知りながら、殺されることを知りながら、なぜ物語の人物たちはこんなにも駆り立てられるのでしょうか?
それは、「美しいから」
ただ、星とその運動に魅入られた人たちがその信念のために命を燃やすのです。

おそらく、彼らを突き動かす衝動は理屈ではないのでしょう。
地と血と知。それらの結集がこの漫画なのだろう。

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漫画『チ。-地球の運動について-』の書籍情報
『チ。-地球の運動について-』は、小学館ビッグコミックスピリッツに連載していました。2022年4月に最終回を迎え、6月に最終巻が発売。
その物語にピリオドを打ちました。
『チ。-地球の運動について-』 書籍情報
- 出版社 小学館
- 掲載誌 ビッグコミックススピリッツ
- 作者 魚豊
- 連載期間 2020年~2022年
- 刊行情報 全8巻
ちなみに、史実としては地動説を説いたものが迫害されたという記録は残っていません。しかしながら、このようなことがあったと思い込んでいる人は多く、作者はその裏をついてこの作品を書いたと述べています。
実際には『チ。-地球の運動について-』には特定のモデルは存在せず、フィクションであることを作者は語っています。
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『チ。-地球の運動について-』のアニメ化が発表!
最終巻の発売と同時に、アニメ化の発表がされました!
発表時点では、マッドハウスが製作ということしか明かされていません。
情報が入り次第、追って更新します!
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