今回紹介するのは、マンガ大賞2022の大賞にも選ばれた話題作『ダーウィン事変』
現代の複雑な志向や差別、テロリズム、人権問題に対して、「ヒューマン×チンパンジー」のミックスである主人公チャーリーが、普通の人間であるルーシーと共に向き合う物語です。
面白い、感動する、考えさせられるなど、様々な感想が寄せられる本作品です。
しかし、あえてみんなが踏み入れようとしていない領域にズカズカと踏み込む本作品は、間違いなく問題作ともとらえられるでしょう。
人類の課題と真っ向から向き合うこの“ヒューマンドラマ”を読んで、あなたはどんな感想を抱くでしょうか?
こんな人におすすめの作品
- 心の動きが読み取れるヒューマンドラマが好きな人
- 考えさせられる話が好きな人
- 哲学的な物語が好きなひと
- 面白い漫画が好きな人!
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『ダーウィン事変』のあらすじ
物語は過激派動物愛護団体である、「動物解放同盟(ALA:Animal Liberation Alliance)」
彼らが動物実験を行なっている研究施設に強襲する場面から始まります。
そこでALAが発見したのは、一体の血を流したチンパンジーでした。
そのチンパンジーは実は妊娠していました。助け出された彼女は無事子供を産むことができたのですが、実は人間との間にできた子供、"ヒューマンジー"だったのです。
成長し、高校生の年齢となった"ヒューマンジー"のチャーリーは、地元の学校へと編入し、通うこととなります。
チャーリーが学校に通うことが不安な育ての母をよそに、チャーリーは学校生活に馴染んでいく…のか?
『ダーウィン事変』の登場人物
ここでは、ダーウィン事変に登場する主な人物を紹介します。
チャーリー
主人公。ALA(動物解放同盟)によって助け出されたチンパンジーから生まれた、ヒトとチンパンジーのミックス、"ヒューマンジー"の男子。
誕生後は、後で紹介するバートとハンナの夫妻に引き取られて育ってきました。
性格は温厚で人間以上に頭も良く、さらにはチンパンジーを超える身体能力も持ち合わせています。
両親がヴィーガンであることから、彼も自然と菜食家となる。
ヒューマンジーであることだけでなく、ヴィーガンであること等から、周囲からは好奇・偏見の目で見られてしまいます。
ルーシー
本作のヒロインとして位置付けられるのはルーシー。
聡明で成績優秀かつ実直な彼女は、高校では周りと馴染まことができず、陰気なキャラとして周りから見られています。
木に登って降りられなくなった猫を助けようとし、落ちそうになったところをチャーリーに救われたことをきっかけに、彼に興味を持ち始めます。
ギルバート、ハンナ夫妻
チンパンジー研究の権威であるギルバートと、弁護士のハンナ夫妻は、チャーリーを引き取り、育ててきました。
動物とのミックスであることから、通常あるはずの権利を持たないチャーリー。彼らはチャーリーが人間と同じ人権を持てるよう、水面下で活動を進めています。
フィリップ・グラハム(フィル)
チャーリーたちが住む町の保安官補。
"ヒューマンジー"であるチャーリーは異質な存在。町の治安を守ることが仕事のフィルは、過去にチャーリーが起こしたとなる事件に間接的に関係していました。
15歳となったチャーリーに、フィルはどのような感情を抱き、どのように関わっていくのでしょうか?
ALAのテロリストたち
この物語のもう一つの中心となるのが、ALAの活動家たちです。
人間と同じ、ひとつの個体として扱われることのない動物たちを、人間の手から解放するための活動を行っています。
しかし、目的のためなら手段を選ばない彼らの行動は、過激かつ暴力的。アメリカの全土でテロ行為を繰り返しています。
そして彼らは、人間と動物たちとの架け橋として、チャーリーを利用しようと、彼とその周囲に対して攻撃を仕掛けていきます。
面白くて深い!『ダーウィン事変』の感想
この物語の中心で語られるのは、人種や志向に対する差別、動物に対する権利と言った、非常に複雑な問題です。
例えば、ヴィーガンに対しても数奇な目で見る人間たちが多く描かれます。
しかし、そう言った目に対してもチャーリーはどこ吹く風という様子。彼は人間や動物もあくまでもひとつの存在として認識し、自分自身も単なるONEとして認識しているようです。
しかし彼は、"ヒューマンジー"であり世界で1人だけの存在です。
彼の考えがどうであれ、周りが彼を放っておかない。
チャーリーは決して、おしゃべりではありません。
しかし、彼の発する数少ない言葉はシンプルでかつ、核心をついています。
そして、両親の影響でヴィーガンであるチャーリーに対して詰め寄る生徒に対しても「なぜ人間だけは食べてはいけないのか?」と言い放つ姿にも、単なる人間ではないが故の重みがあります。
この漫画は、海外ドラマや考えさせられるような作品が好きな人には、ツボにハマるのではないでしょうか。
間違いなく面白い作品です。
『ダーウィン事変』の書籍情報と最新刊
『ダーウィン事変』は、月刊アフタヌーンにて絶賛連載中です。
作者のうめざわしゅんさんは、過去に作品集『パンティストッキングのような空の下』が「このマンガがすごい!」2017(宝島社)のオトコ編第4位にランクインするなどし話題となった漫画家です。
『ダーウィン事変』の書籍情報
- 作者:うめざわしゅん
- 掲載誌:アフタヌーン(講談社)
- 連載期間:2020/6/25〜
- 刊行情報:最新4巻
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