『片喰と黄金(かたばみとおうごん)』は、アイルランドでの大飢饉を経験した少女が、一攫千金を目指してアメリカ大陸を横断する道中の冒険記です。
歴史的事実として、カリフォルニアでは1849年にゴールドラッシュが起こり、一攫千金を狙った者たちが大勢集まりました。
49年者(49ers, フォーティナイナーズ)と呼ばれる者たちの中の一人の少女「アメリア」の冒険を描いた『片喰と黄金(かたばみとおうごん)』。
はっきり言って面白い!
この漫画をこんな人におすすめ
- 歴史漫画が好き
- 冒険漫画が好き
- 主人公がどん底から這い上がる物語が好き
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『片喰と黄金(かたばみとおうごん)』の概要
19世紀中ごろ、アイルランドを大飢饉が襲った。痩せ果てた祖国で、アメリアと従者のコナーは、ある噂を耳にした。遠く海を隔てた北米の地、その西の果てで、湧くほどの黄金が出たという。この世のすべてを見返すため、黄金を求め、主従は西を目指す。本格北米大陸放浪譚!
講談社コミックプラスHPより引用
『方喰と黄金』 北野詠一/講談社
『片喰と黄金』の書籍情報
- 作者 北野 詠一
- 出版社 集英社→講談社
- 掲載誌 ウルトラジャンプ→コミックDays
- 連載時期 2019年〜(連載中)
- 単行本 8巻まで発売中(2022年11月時点)
『片喰と黄金(かたばみとおうごん)』は、不幸などん底に落ちた普通の少女が、一攫千金を目指してアメリカ西海岸を目指すストーリーです。
その物語は、単なる冒険記ではありません。
アメリカ開拓時代の希望に満ち溢れた人々。そして奴隷制度やアメリカインディアンへの迫害。
歴史の闇の部分をも取り込んだ漫画です。
『片喰と黄金(かたばみとおうごん)』のあらすじ
時代は1800年代半ば。
ジャガイモの疫病によって始まった飢饉がアイルランド全土を襲っていました。
飢饉と貧困に喘ぐものたち
飢饉の最中、主人公のアメリアたちはなんとか生き延びようと、死体漁りをして、金銭を得ていました。
畑のジャガイモは全滅し、食べ物もない、お金もないこの状況では仕方がなかったのです。
そして物語は、死体漁りをしていた中での、一人の男との出会いから始まります。
貧しさを脱するためにアメリカ・カリフォルニアを目指して旅立つ!
行き倒れていたはずの男に、なけなしの食糧をもらいなんとか助かったアメリアたちは、アメリカに旅立つ理由について語ります。
その大きな目的は、「ゴールドラッシュ」
この頃、アメリカのカリフォルニアでは金が見つかりました。一攫千金を目指す者たちが一斉に集まり始めていたのです。
アメリアたちもその黄金を狙い、この貧困から抜け出そうとしていたのです。
『黄金』は分かるけど『方喰(かたばみ)』って?
アイルランドの国花である「シャムロック」。
クローバーやカタバミと言った三つ葉の草花の総称です。
アイルランド政府により商標登録されており、アイルランドを表すものに使われることが多い。
その中でも「片喰(カタバミ)」は一枚の葉がハート型をしており、日本でも良く見られる雑草です。
繁殖力が非常に強く、抜いても抜いても生えてくる厄介。
物語と関係してくるかは分かりませんが、片喰の花言葉は『輝く心』です。
『片喰と黄金(かたばみとおうごん)』の登場人物
アメリア
アイルランドのごく普通の農家に生まれた、物語の主人公「アメリア」。
物語が始まった時点では14歳ですが、飢饉があったため見た目はやせ細り、もっと幼く見えます。
しかし、普段は他の人に不安や迷いを見せないように振る舞っています。
家族が全員、病や飢餓で亡くなってしまったちめ、家長としての責任感がそうさせているのです。
とは言え、非常に生命力に溢れ、物怖じしない性格は、ピンチもひっくり返すだけの度胸、判断力を兼ね備えています。
コナー
「コナー」は代々、アメリアの家に従僕(じゅうぼく)として仕えている一家の一人です。
幼い頃からアメリアとその家族たちと過ごし、身寄りのなくなった今でも行動を共にしています。
体格は良く、性格も物静かで常にアメリアにことを気にかけている優しい男です。
アメリアがゴールドラッシュに沸くアメリカ行きを決心した際も、コナーはその意志に従い、アメリアに同行します。
※従僕と奴隷の違い:
男性の召使いを指す言葉。奴隷とは異なり、自由や権利を持つ。
奴隷は物や財産として扱われ、自由もない上に売買の対象にもなっていた。
詳しく知るとさらに面白い!『片喰と黄金』の時代背景
この作品は歴史を題材にしているため、その時代背景を少しでも知っていると、より楽しめます。
物語のきっかけとなる出来事を簡単に紹介します。
アイルランドの食糧危機
1800年代半ばに起こったアイルランド島での飢饉は、ジャガイモの疫病に端を発しました。
最悪時にはジャガイモの収穫量は1/4まで減少。その後の失政などが重なり、その被害が拡大しました。
後に、アイルランドの人口が半減するほどの大きな影響を与えたことから、「Great Famine(大飢饉)」と呼ばれています。
人々は飢餓から逃れるため、アイルランドを離れてさまざまな土地へと旅立っていった。
最も多い時期には一年で25万人にも達した言われています。
その目的地の一つとして、ゴールドラッシュに沸くアメリカがありました。
1800年代のアメリカ
1783年に独立を果たしたアメリカ合衆国ですが、当時は現在の半分程度、おおよそ東半分の領土でした。
その後、1800年代に入ると、その領土を大きく拡大していきます。
そして1848年。アメリカ-メキシコ戦争(米墨戦争)に勝利した結果、カルフォルニアを含む南西部を領土とすることに成功しました。
ちょうど先程の、アイルランド大飢饉の時期と重なるのです。
ゴールドラッシュに沸く49ers
米墨戦争が終結する直前、1948年1月にジェームズ・マーシャルによって、川底から砂金が発見された。
その後、12月にその事実が公に発表されると、年の明けた1949年には、カリフォルニアに金鉱脈目当ての開拓者たち、すなわち「フォーティナイナー(49年者)」が大量に押し寄せることとなりまし。
空前のゴールドラッシュがここに始まったのです。
余談ですが、NFLチームの”サンフランシスコ49ers”のチーム名もこのゴールドラッシュが由来です。
掲載誌・出版社の移籍とその理由|単行本の扱いがややこしい
この漫画『片喰と黄金』は、6巻までは集英社”ウルトラジャンプ”で連載していましたが、途中で打ち切りに。
その後、講談社のWebサービス”コミックDays”に移籍し、継続連載しています。
その結果、単行本が非常にややこしい…
以下にまとめてますのでご参考下さい!
『片喰と黄金』の単行本情報まとめ
- 1〜6巻は、”紙版”は集英社より、”電子書籍版”は講談社より発売(2022年4月1日以降)
- 1〜6巻のコミックDaysでの配信は完了済み(コミックDaysで読めます)
- 第7巻以降は”紙版”、”電子書籍版”とも講談社より発売済み
- 2022年3月以前に購入した集英社版電子書籍は引き続き読めます
片喰と黄金が面白い!魅力は旅の中で描かれる一期一会
漫画『方喰と黄金(かたばみとおうごん)』は冒険記。
こう言った旅漫画の魅力は、"出会いと別れ"
この漫画にも、様々な出会い・別れが緻密に描かれています。
時には敵として。そして味方として。
さらにはそれらが入れ替わったりと、漫画の面白さが凝縮された魅力的な作品です。
絶対に後悔しませんので、実際に読んでみてください。
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