現代のアクアリウム、特に水草水槽を作るには、昔ながらの大磯砂ではなく、ソイルが定番です、
しかし今回、筆者は水草水槽には不利と言われる大磯砂を、底床に使いました。
大磯砂は水草育成に不可欠な栄養分が含まれていません。そのため、自分で適切な量の肥料を与えてやる必要があります。
どうしてそんな邪魔くさいものを使ったんだろ?
だって安いんやもん。
そう! 大磯砂は安いのです。10kg 1,000円くらいで売っているところもあります。水草育成に最適化された「ソイル」だと、専門店で10kg 3,000〜5,000円くらい。また、寿命も半年〜1年程度です。
もちろん、もっと長持ちさせているアクアリストの方もたくさんいます。
でも大磯砂で水草は難しいんだよね?
事前に酸処理をすれば、大磯砂で水草水槽もできるよ!
このページでは、通常では難しい大磯砂での水具育成において、その難易度を少しでも下げるために必要な酸処理について解説いたします。
この記事がおすすめな人
- 大磯砂で水草水槽がしたい人
- 大磯砂の酸処理をしてみたい人
- 低コストで水草水槽を立ち上げたい人
大磯砂はなぜ酸処理が必要?
ところで大磯砂ってどんな砂なの?
大磯砂とは
元々は、神奈川県大磯海岸で採取されていたことから、このような名称になりました。
現在は海外から輸入されたものが使用されています。
さて、そんな素敵な大磯砂ですが、ソイルと比較すると他にも違いがいくつかあります。
項目 | 大磯砂 | ソイル |
---|---|---|
値段 | 安価 | 中~高価 |
色合い | 自然な砂利の色 明るい | 茶色、黒など 暗い |
耐久性 | 半永久的 | 半年〜1年 |
硬度変化 | 高くなる | 低くなる |
pH変化 | アルカリ性 | 弱酸性 |
水草の育成 | 不向き | 最適! |
値段と耐久性については先程述べましたが、色合いも違います。
大磯砂は自然な砂利で明るい色合いです。一方、ソイルは土なので、茶色や黒の暗い印象になります。
また、水質に与える影響も異なります。
大磯砂は、海岸で採取した砂ですので、貝殻などが混ざっていたりします。水槽に入れていると、その貝殻が徐々に溶け出し、飼育水の硬度を上げ、アルカリ性に傾けてしまいます。
一方でソイルは、水中の成分を吸着したり、自身の持つ栄養分と交換したりします(イオン交換)。そういった作用の中で、飼育水の硬度を下げ弱酸性に傾ける効果があります。
水草の多くは、低硬度・弱酸性の環境下を好み、よく育ちます。
つまり、大磯砂は水草育成に全然向いていません。
大磯砂を酸処理して水草育成しよう!
大磯砂は水草育成に向いていないことを説明しました。
しかし、そんな大磯砂でも、水草育成を可能とする方法があります。
ず〜っと長いこと使います!
どのくらいまてば使えるの?
5年とか10年とか…
そんなに待てるかっ!!
てなりますよね。でも5年10年を1日に短縮する方法があります。
10年を1時間にする方法を教えます
大磯砂の進化(酸処理)
要は、含まれている貝殻を酸でとかします。
100均に売ってる、サ◯ポール的なやつですね。
塩酸が9.5%含まれており、結構強烈な酸です。取り扱い注意です。
んでこれを、大磯砂にぶち込みます。
あわあわしゅわしゅわ〜♪
のんきに歌わず、風通しの良いところでやってくださいね。
このまま数日置いて、死ぬほど洗えば完了です。
界面活性剤が残っていると、魚が死にますので、これでもかと言うくらい洗ってください。
魚が死ななきゃいいのですが、私が死にました。
大磯砂に向いている水草
酸処理をしたとは言え、やはり大磯砂を使うと水の硬度が高くなりやすいです。
一方で、既に述べたように多くの水草は高い硬度を嫌います。
じゃあどうしたいいの?
高度が高くても平気な水草をえらぶのよ
硬度が高くても育ちやすい水草は、次のようなものです。
- パールグラスの仲間
- クリプトコリネの仲間
- ヘアーグラス
水換えによっても硬度を調整することはできます。しかし、水道水の硬度は地域によって差があるため、元の高度が高い場合は、特に水草のチョイスには気をつけましょう!
試薬やTDSメーターでチェックするのもおすすめです。
まとめ:酸処理済み大磯砂
以前の記事でも少し触れましたが、長年使った大磯砂は宝と言われる所以は、含有するアルカリ成分がなくなることにあるのです。
実際に宝と呼べるまで使い続けるのは難儀ですが、酸処理によって、大磯砂を宝物にできました!
酸を使ったり、ガスが発生したりするので、くれぐれも気を付けて、真似してください。
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